風の草刈りし隊

風と自然に倣う草刈り

『風の草刈り』は、自然の風の動きをイメージして、風が植物を撫でるように刈る。自然の理にかなった、自然そのものの動きを用いて、植物の根を育てていく草刈りの方法です。
草刈り鎌ひとつで、大きな力や体力を使わずに、女性や子どもでもできる大地のメンテナンス作業です。

『風の草刈り』って?

『風の草刈り』は、大地の再生の矢野智則さんが考案したもので、風に倣った草の刈り方です。

自然の風の、流線型で、渦を巻いて、S字に蛇行していく感じをイメージして、植物をその風が撫でるように刈る。自然の理にかなった、自然そのものの動きを用いて、植物の根を育てていく草刈りの方法です。

植物をよく見てみると、常にどこかしらが風にあたって少し揺れていることに気付けると思います。更に見てみると、枝葉の生え方が流線型で渦を巻いており、風の動きが模倣されています。こうして、いつも風のゆらぎを受けながら成長しているのが、植物なのです。

一般的に『草刈り』と聞くと、草刈り機や草刈り鎌で地際(植物が地面から出ているスレスレのところで)から刈り取っていくことをイメージされると思います。そして、これをやるには時間と体力が求められ、草刈り=重労働=できるだけやりたくないという印象を持たれる方が多いのではないでしょうか。

実際に根こそぎ払う草刈りをやってみると、自分のカラダのどこかに痛みが出てきたりします。

一方で『風の草刈り』は、風が植物を払うように刈るため、強い力をかける必要はありません。草刈り機のような大きな道具も不要です。

草刈り鎌ひとつあれば、女性や子どもでも簡単にできるものです。

CoToLiの森での『風の草刈り』作業動画

こうして、自然のかたちに倣って草を刈るとカラダに負担がかからず、草刈りを終えたあとの疲労や、どこかを痛めたりすることがなくなります。

もちろん、はじめのうちはどうしても力が入るので、風の草刈りをしてもカラダが疲れたり、どこか痛めたりするかも知れません。でも、何回か続けていくうちにカラダの使い方、力の使い方を覚えてくるので、より自然な状態での草刈りが可能になります。

風の草刈りを通して、カラダの詰まりが取り除かれ、整っていく感触も体験できると思います。

風の役割

この地球には、大地を覆う空気があり、常に動き蠢き、一瞬たりとも止まることがありません。

この空気の動きを、風と風がぶつかってできるつむじ風や、窓に吹き抜ける風の強さや、鳥が羽ばたき風を切る音など、『風』としてわたしたちは日常的に感じています。

風が植物の葉に当たると、そこに振動が生まれます。その振動と圧力が植物の根に伝わりながら、水が送られていきます。

風の振動が電気を生み、エネルギーとなり、植物が大きくなっていくような感じです。

まさに風は植物にとって、大地にとって、マッサージみたいなもの。風が当たることで大地が耕されている。昔から言われる『雨風にさらす』というのは、無機質なものや命が宿っていないところに、エネルギーや命を与えるという役割があるのではと考えています。

山や岩、大地にも、風が当たることで振動が与えられ、エネルギーが生まれ、各々がその場所に見合ったかたちに適合し、整えていきます。

風が対象となるモノにぶつかり、動くことで、命のエネルギーがそこに生まれているように思います。

風が土地のかたちを作る。だから『風土』と呼ばれているのではないでしょうか。

そして風は、人に対しても、気持ちやストレスのリセットを与えてくれます。

例えば、風が頬を撫でたときに感じる、気持ちよさや心地よさなど。風が払ってくれる感じです。

こうして風の振動を感じることで、人もエネルギーをもらっている。植物と同じことが起きていると思っています。

風の草刈りし隊

『風の草刈り』を行う人たちのことを、『風の草刈りし隊』と呼んでいます。

この作業を通して風を感じたり、見たり、考えたりすると、風と空気と水の『自然の理』を知り、普段の生活や仕事に使える考え方や視点が得られたりします。

『風の草刈り』は、地上に見えている植物の状態から、地下部の状態を五感・六感を使って見ていくので、自然を見る力が養われていきます。

そしてこの力は、自分自身を見る力に大きく役立っていきます。

自分のカラダやメンタルを元気にするきっかけにもなるのが、この『風の草刈り』です。

『風の草刈りし隊』のメンバーを増やして、今後は桂川、相模川流域へと『風の草刈り』を広げていきたいと思っています。女性でも気軽にできるこの作業を地域へ広げていき、女性が仕事して担えるようになったり、地域の中の風通しが良くなっていったらいいなと考えています。

きっかけ

2014年、ヨガクラスで利用していた『ピラミッドセンター』敷地内の環境改善を行う話が持ち上がり、その環境改善を担う人として『大地の再生 結の杜づくり』の矢野智徳さんが、施工前の視察に訪れました。(矢野さんに依頼したのは、以前、地元の女性が矢野さんの大地の再生講座を受講して有用性を感じていたから)

「この場所は、桂川と倉岳山のプレートが盛り上がってできた場所で、本当はこんな土地だったんです。」

と、ピラミッドセンターの敷地内でフィールドワークをしてもらった際に彼が発したこの一言で、彼が見ている本来の地球の姿がわたしの中にもイメージでき、電撃が走った時の瞬間を今でも鮮明に覚えています。

その後、実際に工事をお願いすることとなり、ピラミッドセンターの環境改善工事は計6回に及ぶ大工事となりました。いずれの工事にも参加させていただき、一緒に作業を進めていく過程で植物の植生の変化を肌で感じるようになり、大地の再生へと入り込んでいきました。

工事後の状態を維持していくためのメンテナンス作業を地元の女性たちと担い、その中で『風の草刈り』の練習会を行うようになり、そこで技術を磨いていきました。そして、この練習会に参加する人たちを集めていく中で『風の草刈りし隊』というネーミングが出来上がった次第です。

当時のピラミッドセンター工事で矢野さんの言った

「3人の職人で環境整備するよりも、1人の分かる人と30人くらいの素人の人たちでやった方が奇跡が起きる」

という言葉に共感し、この考え方は現在の活動でとても大事にしています。

これまでの活動

HERBEの拠点である山梨県大月市、梁川市にて地域住民向けの講座やワークショップのほか、周辺の流域・地域へ活動を広げています。その地域に住む女性や子どもたちが日常の生活の中に取り入れ、『いつでも、どこでも、誰でもできる』をコンセプトとしたカラダやメンタル、自然環境のメンテナンスを今後も広げていきたいと思います。

風の草刈りガイド@大地の再生講座

関東甲信越の各地で行われている『大地の再生講座』の中で『風の草刈り』のガイド(講師)を担当させていただき、大地の再生の魅力を伝えています。

大地の再生講座では、職人さんが重機や道具を使って地面へ大きな穴を開けたり、資材(枝木や炭、石や瓦礫など)を運んだりといった力仕事がありますが、『風の草刈り』は大きな力を使わず、女性や子どもたちでも簡単にできるものなので、大地の再生への導入として多くの人に体験いただいています。

風の和紅茶

地元(山梨県大月市)の女性たちが、『風の草刈り』や『水脈整備』といった大地の再生の手法を用いてお茶畑の整備を行い、収穫した茶葉で手作りの和紅茶を販売しています。

>>風の和紅茶ページはこちら

CoToLiの森プロジェクト

倉岳山を挟んで向こう側に位置する上野原市秋山無性野の『CoToLiの森』にて、『小さなシャベルでできる森の再生活動』を2021年2月から1年間行いました。

>>森の再生活動はこちら

風の森学び舎〜風と水の流れる森づくり

『小さなシャベルでできる森の再生活動』を藤野地域へ展開。2022年3月から小渕地区の山の環境整備をスタートし、2022年9月にふじのマレットゴルフ場もスタート。地域内の活動場所を広げています。

>>風の森学び舎〜風と水の流れる森づくりはこちら

ヨガクラス&風の草刈り

大月市柳川町にある松の木ハウスやピラミッドセンターにて、ヨガクラスと風の草刈りし隊を組み合わせ、『カラダと環境のメンテナンス』を不定期で実施しています。

『風の草刈りし隊』へお声がけください

ご自宅やご近所で草刈りが大変な方、荒地のお手入れにお困りの方は、『風の草刈りし隊』へご相談ください。

『女性であり、母親であり、職人ではない』というわたしの視点で、大地の再生の現場で培ってきたノウハウ、知識や経験を、はじめての方にもわかりやすく伝えていきます。

どんな環境改善のやり方が良いのか、どうやって植物たちと関わっていくのが良いのか、他の参加者と一緒に作業をしながら体験し学んでいただければと思います。

『風の草刈りし隊』へのご相談は↓のお問い合わせフォームからご連絡いただくか、info@select-herbe.com までEメールでお問い合わせください。

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